アトピー/アトピー性皮膚炎でお悩みのみなさま是非お問い合わせ下さい。-内山九段クリニック-TEL:03-3511-1330

内山九段クリニック
TOPページ>アトピーが治り難い理由1
メニュー
メニュー
金の糸治療術
免疫とアレルギー疾患
アレルギーとは
アトピー性皮膚炎とは
アトピーが治り難い理由
理由1
理由2
理由3
アトピー性皮膚炎治療
治療1
治療2
治療3
金の糸治療術とアトピー
治療症例
治療料金
アトピー治療質問
アクセスマップ
院長の紹介
お問合せ
アトピー用語集
参考文献
トップページ
アトピーが治り難い理由1
 
アトピー性皮膚炎では湿疹が繰り返されています。何故でしょうか?
 
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は
@.身近な非自己を抗原と認識してしまう体質
A.抗原に対してアレルギー反応を起こしてしまう体質
B.抗原が容易に皮膚内に侵入しやすい状態になっている(バリア機能低下)

の3つです。
繰り返される=治り難い理由は原因の他に様々な増悪因子が関与しているからです。
 
原因
・免疫異常による様々な炎症が起きている。
・皮膚の異常=バリア機能低下になっている。
増悪因子
・様々な抗原とスーパー抗原が存在する。
・神経過敏状態になっている。
・掻き癖やストレスが症状を増悪させてしまう。
・誤った治療が行われている。
 
免疫異常による様々な炎症
 
アトピー性皮膚炎における炎症反応
T型アレルギーとW型アレルギーの混在と角化細胞のサイトカインによる炎症
 
アトピー性皮膚炎ではIgE抗体が作られ、これが肥満細胞と結合し、抗原が侵入してくるとヒスタミンを始めとする化学伝達物質が放出されて痒みを起こします。
これはT型アレルギー(即時反応:一番目の反応)です。しかしヒスタミンだけでは蕁麻疹しか起こらず、T型アレルギーでは肥満細胞が抗原進入後数分で放出するヒスタミンによる即時反応、数時間後に放出する化学伝達物質による遅発反応:二番目の反応が起きているが分かってきました。またアトピー性皮膚炎はW型アレルギーも関与していると分かってきました。 W型アレルギーはIgE抗体とは無関係で、威力を増したリンパ球から放出される化学伝達物質が、自分の細胞にダメージを与えてしまうアレルギーです。
この反応は遅延反応三番目の反応とも言われています。一般に、アトピー性皮膚炎の初期はW型アレルギーが主体で、進行するとT型アレルギーが主体となると言われています。 更に、このアレルギー反応に加えて表皮の角化細胞からもサイトカインが放出され、炎症が起こっています:四番目の反応。
角化細胞からサイトカインが出される理由は
@アレルギー反応で起こった炎症による刺激
A掻爬することによる物理的刺激
の2つです。
角化細胞は放出するサイトカインで、他の角化細胞や自分自身を更に刺激してしまいます。
 
アトピー性皮膚炎における4つの炎症反応
 
上図「アトピー性皮膚炎における4つの炎症反応」で遅発反応が1〜数日で始まる事を示しましたが、ではこの遅発反応(W型アレルギー)はどの位続くのでしょうか?
 
抗原が一度表皮内に侵入したら、炎症は抗原がいなくなるまで続きます。一般には、表皮の代謝は1ヵ月前後ですので、一番深い表皮基底層に入った場合は、理屈上1ヵ月掛かって排出されます(中には免疫細胞に貪食される抗原もあります)。それより浅い層にとどまった場合は、1〜3週間くらいでしょう。実際かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)は、1〜3週間掛かって直ります。しかしアトピー性皮膚炎では、皮膚が弱いため身近にあるハウスダストなどの抗原が次々と入ってくるので、中々炎症が終わりません。更に表皮が傷ついている場合は表皮より深い真皮に抗原が侵入し、もっと厄介です。真皮は表皮のような代謝が盛んでないので、抗原はしばらくそこに居続けます。好中球やマクロファージの貪食が抗原を減らすことになりますが、時間が掛かります。その間に炎症が続き、次第に硬い痒疹と呼ばれる病変になっていきます。この痒疹は真皮内で起きているので,掻いても痒みが取れにくい辛い皮疹です。
 
抗原の表皮内侵入
 
抗原の真皮内侵入
 
皮膚の異常=バリア機能低下
 
アトピー性皮膚炎では皮膚の一番上層の部分、角層の機能が弱くなっています。元々皮膚の機能とは何でしょうか?
それは
@水分保持
A外敵侵入防御(バリア機能)
の2つです。体内の水分を外に漏らさないことと、外から非自己を侵入させないことは表裏一体であるとも言えます。水分保持機能の大切さは全身やけどを見れば明白です。我々の身体は6−70%が水分で構成されていますが、皮膚がないと体内の水分がどんどん失われてしまい生きていけません。全身やけど等ではこの水分保持機能が失われてしまうので、致死的な状態に陥ることが多いのです。 我々の身の回りのものは、殆ど全て非自己であり常にそれらと接しています。 もし非自己が容易に身体の中に侵入してきたら、これもまた生命の危険度が増してしまいます。 非自己と常に接している皮膚に、体内に侵入させない機能が備わっているのも当然といえば当然です。 そしてこの重要な機能は、皮膚のうちでも一番上層の角層が中心となって担っています。角層はフィグラミンという蛋白で構成されたわずか20ミクロンの薄い膜です。この薄い膜が生命維持に重要な働きを司っているのは驚きでもあります。 角層に何らかの異常が起きればこの2つの機能も低下してしまいます
 
表皮の構造
 
表皮の構造
 
皮膚の組織像
 
では、角層はどのような構造で出来ているのでしょうか?
角層は日々代謝している表皮の一番上の層です。
 
 
表皮の代謝
 
表皮は、以下の順で代謝を繰り返しています。上図を参照してください。
@一番下の細胞が約2週間かけて細胞分裂する(基底層)。
A新しく生まれた細胞は角化細胞といいますが、形を変えながら2週間かけて上方に進んで行く(有棘層→顆粒層)。
B最後は、生命活動の無い状態になり、積み重なって行く(角層)。
C数段積みあがった最上層は、自然に剥がれて行く(いわゆるアカ)。
 
角層の構造
 
角層と顆粒細胞
角層は、生命活動の無い角質細胞角質細胞間資質と表面を覆う皮脂で構成されています。
 
@角質細胞
顆粒細胞から変化した細胞で、髪の毛と同じように生命の営みはありません。角化封筒というたんぱく質の外枠とフィグラミンという成分で出来ています。フィグラミンは前段階の顆粒細胞の中のケアトヒアリンが変化したものです。角質細胞は何層にも重なっていますが、その数は部位によって異なります。目の周囲は7-8層、頬は10層、外陰部は 5-6層、手のひらや足の裏は約100層です。上層の角質細胞は、 フィグラミンが一部分解されて天然保湿成分となり、保湿と水分吸収に役立っています。角質細胞どおしは、デスモゾームというたんぱく質でくっ付いていますが、このデスモゾームが酵素の力で分解されると角質細胞は剥がれます。一般に角質細胞は一層/日、自然に剥がれています。
 
A角質細胞間脂質
角質細胞どおしの隙間を、脂質が埋めています。 この脂質は、セラミド、脂肪酸、コレステロースなどで構成されていますが、特に重要なのがセラミドです。セラミドは顆粒細胞のスフィンゴミエリンが変化したもので、細胞間を満たして隙間をなくし非自己が侵入してくるのを防いでいます。普通、細胞と細胞の間は細胞外液といって液体で満たされています。これは細胞が生命活動を営むため、周囲のとの物質の交換が必要だからです。しかし角質細胞は生命活動を営んでいませんので細胞外液も不必要で、代わりに水に溶けない脂質(水に溶けませんが水分を保持することは出来ます、ややこしいですね)で構成され、外部からの侵入を防いでいます。正常な角質細胞とセラミドで構成された角層は、500ダルトン(たんぱく質量を表す単位、普通たんぱく質は10000ダルトン以上)以上のものは通しません。
 
B皮脂
毛穴に一致して存在する皮脂腺・汗腺から分泌される脂分と汗が混ざって、ちょうどクリームのような状態になり角層の表面を覆っています。これもバリア機能としての働きを担っていますが、水分保持というより、蒸発を防ぐ働きが主です。手湿疹や主婦湿疹といって、指先がカサカサになって痒くなる疾患がありますが、これは炊事などで指先の皮脂が減り、バリア機能が低下した結果です。セラミドなどの重要性は多くの方が知っていることですが、このように皮脂も重要な働きをしています。
 
バリア機能低下
以上のように、天然保湿成分を有する角質細胞自体、セラミドを主とする角質細胞間脂質、皮脂膜がバリア機能として働いています。アトピー性皮膚炎では、この角層のバリア機能が劣っています(下図)。これは、アトピー性皮膚炎の原因であると同時に、アトピー性皮膚炎を長年患った結果ともいえます。すなわち
@皮膚が炎症を起こすと角層の脱落が亢進します。
A皮膚を掻くことにより、皮脂・角質細胞・細胞間脂質が物理的に剥がされます。  @、Aで生じた薄い角層を修復するため代謝が亢進されますが、修復された部分は急がされて出来上がったため、セラミドではなく十分な保湿性を持たない脂質(スフィンゴシルフォスリルコリン)が主な細胞間脂質となっています。
B修復されたといっても角層は十分な厚さを保てず、保湿性が悪いため隙間が生じてヒビ割れた状態になり、そこから抗原や非自己が侵入しやすくなってしまいます。
C侵入してきた非自己に対し抗原抗体反応を起こし炎症が起きます。
 
元々乾燥肌(バリア機能が弱い肌)に、掻破などの物理的刺激が加わって更にバリア機能が低下した状態が、アトピー性皮膚炎では起きています。
 
バリア機能
 
バリア機能の低下した皮膚